ひびの祝福

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『過保護のカホコ』の麦野はじめくんがこわい、あるいは麦野はじめくんへのラブレター

 今期のドラマは『過保護のカホコ』と『ハロー張りネズミ』を楽しみに生きている千代子です。先日放送された『過保護のカホコ』の8話が激ヤバで大混乱しているのでここに思いのたけをつづりたいと思います。

 まず『過保護のカホコ』についてざっとあらすじなどを紹介いたします。これは、超絶過保護に育った女子大生カホコちゃん(お弁当も作ってもらい最寄り駅まで送り迎え、着る服もママに選んでもらい、夜の日課は家族ビデオの鑑賞会)が就職が全然うまくいかないけどママは花嫁修業でもしていい人と結婚したらそれでいいのよ!って言ってくれてるしまあいっかな~のほほ~んとしていたところ、同じ大学の美術科に通う男子学生麦野はじめくんとひょんなことから知り合い、「お前みたいな過保護が日本をだめにするんだよ!」という今まで回りが(特に父)が言いたくても言えなかったことをズバーンと指摘され、自立への道を歩み始める、という話です。母親はマジ筋金入りの過保護、父親はそんな母の言いなり、母方の家族は毎日どったんばったん大騒ぎで純真培養のカホコちゃんどうする!?みたいな感じなんですけど、そんなことよりこの男子学生麦野はじめくんがやばいので麦野はじめくんの話をさせてください。

 麦野はじめくんは、幼いころに父親と死別。その後母一人子一人の貧乏暮らしを続けながらも、絵が好きなはじめくんは、「ピカソを超える画家になってお母さんに楽させてあげるから!」と宣言する何とも生意気でかわいらしい少年としてすくすく育っておりました。しかし、はじめ少年が7歳になるころ、母親が突然失踪。ごめんねという置手紙とおにぎりとともに残されたはじめ少年は施設に預けられることになり、自分を捨てた母親に対し失望したり憎しみや期待を抱いたりしながら、すこしひねくれて育ち、学費は奨学金で賄いながらバイト三昧の夢追う苦学生として頑張っているのでした。親からすべてを与えられ、何不自由なく育ってきて、またそのことをまったく自覚していないカホコちゃんに最初はフツーにムカついていたのですが、純真培養超箱入りお嬢様のカホコちゃんの常識離れした素直さにあてられ、「家族の愛なんて俺はこれっぽっちも信じちゃいねんだ」とのたまっていたのに、「カホコさんを見ていると、この世のいいものを信じてもいいんだと思える」とか言い出してカホコちゃんに惹かれていくのでした。

 というここまではまだいいんですけど問題の8話ですよ!!!!!!!!なにが問題かと言うと「麦野はじめくん病的な善人過ぎる問題」ですよ!!!!!!!!!!

 8話までにもいろいろ「おいお前いい人過ぎて逆にこわいよ!!!!!」案件は大量にあったのですが、この8話はマジもう麦野はじめくんだいすき幸せになってくれ党員としてはブチギレざるをえない。聞いてほんと聞いて!!!

 麦野はじめくんは、世の中甘くないとか、家族だからってだけで一緒にいることが必ずしも幸せとは限らないとか、お金がなくちゃ始まらないとか、嘘とか騙したりとか世の中にはフツーにたくさんあるとか、そういうことを悲しみながらも認めざるを得ないよね、でも泣いてばっかりじゃいられないしこの世で何とか頑張らなくちゃみたいなめっちゃけなげで冷静でありながらもかわいい少年なんですよ。竹内涼真さんの美貌と相まってスーパーキュートボーイなんですけど、誰がいったい嫌いになれようか????っていうくらいなんですけど、8話のお前はサイコパスと言われても仕方ないくらいに負の感情が死んでてやばかったぞ!!!!?!?!?!??!

 まず7話終盤から8話にかけて麦野はじめくんは2回、致命的にひどいことをされてるんですよ。

 まずカホコさんとけんかをしています。7話においてカホコさんは母方の祖母が余命幾ばくも無いことを知り、しっちゃかめっちゃかな親族をなんとか集めていつも通りの誕生パーティーを開こうと奔走します(そして病的な善人の麦野はじめくんは他人の家のめっちゃデリケートな問題にもかかわらず必死なカホコさんをみてなんとか助けようとするのでした。パーティーにも出席する。いいこか!!!!)。しかし集まったはいいものの始まったのは口汚い罵り合いに愚痴の言い合い、誕生パーティーはとても険悪なムードになってしまいました。ばあばもう死んじゃうのにこんな険悪な家族の姿しか見せられないことに怒りと悲しみを募らせ家を飛び出すカホコ、そして追う麦野くん←いいやつ。パーティーがだめならとカホコはばあばに自分のウェディングドレス姿や孫を見せてあげたいと考え、麦野はじめくんの気持ちを度外視して「子供作ろう!!!!」と宣言します。いやいやお互いが愛し合っていて子供が欲しいから結婚したり出産したりするんであって、ばあばを喜ばせたいからってそういうことをするのは本末転倒だろうと(自分の気持ちをないがしろにされていることには怒らず←いいやつ)諭す麦野くん。しかしばあばが死ぬと焦っているカホコちゃんには麦野くんのそんな気持ちがわかりません。「いっとくけど、カホコは、家族が一番大事だから!なにがなんでも家族と一緒にいたいから!!」と、麦野くんという他人の目の前で醜いけんかや言い争いを繰り広げている親族を見てきたばかりなのにかたくなに主張するカホコにさすがの麦野くんもカチンときたのか「家族だからって一緒にいることが必ずしも正しいとは限らないだろ」と反論。そこでなんとカホコは「家族がいない麦野くんにはカホコの気持ちはわからないよ!!」と吐き捨ててしまうのでした。そして彼らは別れることになります。「おれたち合わないよ」「所詮生きてる世界がちがうんだよ!」

 家族がおらず、愛された実感も持てず、ひとりでこの世の中を生きていかなければならないとかなしみやふあんを抱きながらも決意して頑張ってきた麦野はじめくんにこのセリフはあまりにもひどいのではないでしょうか????ひどくない??????カホコが大事にしているものだからって、他人の家の地獄の誕生日パーティーにも出席したし、すねてるカホコの従妹を連れてくるの手伝ったりもしたのに、なんでこんなこと言われなきゃならないの????しかも好きな女の子に?????この子とならこの世の善意や愛を信じられると思った女の子に???????カホコてめえはいま麦野はじめくんを死ぬほど傷つけたんだぞわかってんのか!??!?!?!?とね、わたしは大激怒だったんですよ、麦野くんしあわせになってって、思ったんですよ。

 なのに8話ではちゃんとカホコに謝らせることもなく、なんかいろいろあってうやむやになったのか、「カホコ~~~~~会いたかったよ~~~~~」「別れるなんていうなよ~~~~」「カホコに会えないと思ったら怖かったんだよ~~~~」「カホコがいないと自分がいる世界が嫌になるんだよ~~~~」とか泣きついて結婚する!とか言い出して麦野はじめお前順番がおかしいだろ!!!!!!!!!!!!今すごいお前かわいいけどそれは9割竹内涼真のおかげであって、お前!!!!謝らないカホコもカホコだけど、そこをうやむやにするお前もお前だよ!!!!!カホコは場合によってはいかにあのセリフが麦野はじめという人間を傷つけたのかまったくわかっていないし、ちょっとした売り言葉に買い言葉程度に思ってるぞ!!!!いいのかそれで!?!?!?あんなにいろいろやってあげて譲歩してあげて尽くしてあれだぞ!??!?!怒れ、麦野。キレろ、はじめ。そうじゃなかったらお前の悲しみや怒りや今まで頑張って生きてきたことどうなるの!??!?!?!?!?確かにカホコがいない世界は、善意も愛も信じられなくて暗くて怖くてさみしいかもしれないけど、さみしいからって自分の本当の気持ちないがしろにするなよ!!!!!そこだけは大事にしろよ!!!!!っていうか大事にしてもらわないとわたしがいやだよ!!!!!なぜなら善意も愛も信じられないと絶望すると同時に淡い期待を抱きながら頑張って生きてきた麦野はじめが好きだからだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 そして8話ではもうひとつめっちゃひどいことを麦野はじめくんはされています。それは母親です。彼を捨てた母親と今回なんだかんだあって邂逅することになるのですが、これがまたひどい母親なんですよ聞いてくださいよ。

  麦野はじめくんを7歳で置き去りにした母親、その理由が明かされるのですが、ギャンブル狂の夫と残された借金がストレスで覚せい剤に手を出ししまったという話でした。覚せい剤をどうしてもやめられず、一度はじめ少年と無理心中を試みるも我に返り、このままはじめといてはいけない、とそう思って置いていったとのことでした(ん?????????????)。ふーん。自首し刑務所に入り無事出所するも再び覚せい剤に手を染め、更生施設で過ごしていたはじめ少年の母親は、その施設で運命の出会いを果たし、職員の方と結婚。職員の方には死別した前妻との子がいたため、はじめ少年のことは言い出せなかったそうです(は???????????????)。

 こんな手紙を捨てた息子に残す人間、自分ばかり許されようとしていて小狡いと言ったらないんですが、はじめくんは孤独で愛に期待をしてしまうガラスの少年なのでそんなクソ親にも会いに行くのですね。いざ会いに行ってみたら覚せい剤をやった母親は立派な一軒家でお花にお水なんかをやっているではありませんか。中学生くらいの子供がふたり帰ってきて、にっこにこ笑顔をふりまき、虹が出るわよおなんてくっそくだらないことをやってきゃっきゃしているではありませんか。最低だな!!!!!!!!!はじめくんには何の援助もしないで、それどころかたぶん再婚相手には一切話さず存在を抹殺していい暮らしをしている、そんなのクソ以外の何物でもないじゃないですか。はじめくんここはキレろ!!!頼む!!!!と思ってみていたらですよ、なんとはじめくん、「謝んなよそういうの苦手だから」「幸せにやってるみたいだし?」「この先も幸せじゃなかったら許さねえからなこのやろう」とかいっちゃって?一度も声を荒げることなくなじることな謝らせることなく???爽やかに???その場を立ち去る?????おいこら麦野はじめ!!!!!!!!!!!!目をそらすな!!!!!!お前の母親は、楽をさせてあげたい、自分に気付いてほしいとお前があんなに渇望していた母親はな!!!!お前の存在ごと消し去って幸せになって、そのあとお前が苦労していようとなんっにも、なんっっっっにも助けてくれなかったし助けようとも思わなかったんだぞ!!!!!それだけならまだしも、息子を捨てたこと、覚せい剤をしてしまったこと、そういうことを全部許されたくて、自分を求めているはずの息子に全部おっかぶせて許されようとしている、信念のない弱い人間なんだよ!!!!いいの!?!?そんなふうに幸せ願っていいの!?!?よくないでしょ!?!??!母親に再開して数年後とかならまだしも、会っているまさにそのときにキレて怒らなくていつ怒るの???いままではじめくんの悲しみは?努力は?歯を食いしばって頑張ってひとりで生きてきたことはどうなるの???こんなやつらに、あ、立派にやってんじゃんよかったよかったそんな余裕あるならわたしのこと許してよって、そんなふうに思わせるために頑張ってきたわけじゃないじゃん!!!偉いねすごいねってほめてもらって愛されるために頑張ってきたんじゃん!!!!!!!!!!もおおおおおおおおいままで麦野はじめが頑張ってきたことをそんなうわっつらのうすっぺらな偽善者の言葉で台無しにしないでよ!!!!

 という感じでですね、わたしは怒り心頭でもうひっくり返りながら見ていたんです……。それなのに……巷では「麦野くんかわいい~~~♡幸せじゃないと許さないからなとか言われた~い♡♡」とか「麦野くんよしよしした~い♡カホコうらやましい~♡♡」とか言われてもうその反応もやめて!!!!!そういう自分に都合のいいことを善いものとしてもてはやす人間がいるから、麦野はじめという人間は生まれてしまったんじゃないんですか???怒りたいときやつらいとき、ひどいことをされたときにきちんと怒って相手に気持ちを伝えることをうやむやにする少年になってしまったんじゃないんですか???麦野はじめくんは世界に対して絶望していて冷めているけど、でもやっぱり愛されたいし善いものを信じたい、そんな素直な少年だったばっかりに、本当はみんなに好かれたかったばっかりに、こんな、こんな過剰で病的な善人になってしまったんじゃないんですか????もうわたしにはわかりましたよ、こんなに麦野はじめくんが異常な善人になってしまったのは、みなさんのせいですよ。自分に都合のいいかわいい生き物をもてはやすから、それをすべて織り込み済みで麦野はじめくんはあんな、あんなふうに自分の気持ちを無視してうすっぺらで耳障りのいい言葉をきれいな顔で言うようになってしまったんじゃないんですか???

 麦野はじめくん、お願いだ、いつでもどんなときでも正しくて善くて周りの人間にとって都合のいい人間になんかならないで!!!!おっことぬしになんかならないで!!!!っていうかおっことぬしになるくらい怒れよ!!!!!なれよ!!!!

 

麦野はじめくん、君が怒らなかったぶんだけこうしていま、わたしは怒っている。君がブチギレるその日まで、何度でもわたしは怒ります。それがわたしの愛だ!!!!!!!あと2話、目を血走らせながら観させてもらう!!!!!!!!!!!

じゃあな!!!!!!